【目次】
なぜ今、太陽光発電が必要なのか?
太陽光発電は、化石燃料や原子力による発電とは異なり、クリーンで安全なエネルギーを生み出します。日本の太陽光発電導入累積量は中国、アメリカに次いで第3位と、世界トップレベルの実績を誇ります。
資源エネルギー庁の調査によると、2020年度の10kW未満の住宅用太陽光の導入件数は、約14.1万件。新設住宅の着工件数が減少していることにより、やや減少傾向にはあるものの、決して少なくない割合で導入されているのです。
今回は、そんな太陽光発電の「今、導入すべきメリット」をわかりやすくご紹介していきます。電気代の高騰に悩む方も必見の内容になっていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
太陽光発電が増加している背景、理由
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)によると、国内の2012年6月末の太陽光発電の設備の導入量は5.6GWでしたが、2019年3月末には49.5GW(ACベース)にまで拡大しています。
これは、2012年に導入された「FIT制度(固定価格買取制度)」によるものとされています。この制度は、再生可能エネルギーの普及のため、太陽光発電などで発電した電気を、電力会社が買い取ることを義務付けるものです。
ここでは、国がこのような制度を作った背景について、詳しく解説していきます。
環境問題
2020年に運用が開始された「パリ協定」では、2050年までのカーボンニュートラルの実現が推進されています。「カーボンニュートラル」は、温室効果ガスの排出量と吸収量を合わせ、全体としてゼロにする取組みです。
これを受けて、2021年4月、当時の菅首相は地球温暖化対策推進本部にて、2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度比で46%削減すると発表しています。
太陽光発電は、CO2を始めとした温室効果ガスが排出されない、クリーンなエネルギーです。カーボンニュートラルの実現のためには、CO2を排出しない太陽光発電の導入拡大が急がれます。
SDGs促進
SDGsとは、2015年に国連サミットで定められた、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標です。
その目標の中には「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」、「気候変動に具体的な対策を」というものがあります。
世界的な気温上昇や、異常気象が問題になる今、この2点の解決に繋がる太陽光発電に、注目が集まっているのです。
電気代高騰問題
日本の電力は全体の7割を輸入した石油や液化ガスなどの資源を用いた火力発電に頼っているのが現状です。これらの原料は、2022年現在、価格高騰が続いており、結果的に電気代の値上げが続いています。
こうした状況を打開するため、政府は太陽光発電の導入のための補助金を設けるなど、様々な施策を打ち出しているのです。
災害が相次ぐ日本 少しでも安心できる家庭環境づくり
日本は世界的に見ても、水害や地震などの自然災害が多い国であることは言うまでもありません。東日本大震災の発生以降、日本の原子力発電所が稼働を止めたように、火力や原子力発電のみに依存しない電力供給が求められているのです。
太陽光発電は、いざという時にも電力を確保しやすいため、災害時の備えとして導入されるケースも増えています。
過去5年間で最高水準!電気代の高騰の主な理由
近年、よくニュースなどで電気代の高騰が報じられています。
2022年6月分の電気料金は、大手10社のうち5社で値上がりすると発表されました。これにより大手の電気料金は、過去5年間で最高水準を記録しています。
度重なる値上げには、様々な要因が絡んでいます。ここでは、電気料金高騰の主な理由について、解説していきましょう。
限りある資源 化石燃料の高騰
日本の発電の約7割を占める火力発電には、石炭や天然ガスといった化石燃料が欠かせません。しかし、これらはオーストラリアやインドネシア、ロシアなどからの輸入に頼っているのが現状です。
そのため、化石燃料が世界的に高騰すると、電気料金も値上げせざるを得ないという背景があります。
コロナ渦や、ウクライナ危機の影響
ではなぜ、化石燃料が高騰しているのか。その理由の一つが新型コロナウイルスの影響です。
2022年5月現在、世界的にコロナ禍からの景気回復を受け、世界的に石炭や液化天然ガスのニーズが高まっています。
そこにもう一つの要因であるウクライナ情勢の緊迫化が拍車をかけ、電気料金の高騰が続いている状態なのです。
5月改定の再エネ発電賦課金の増額
再エネ発電賦課金とは、電気を利用するすべての消費者から、一定金額を徴収し、それを再生可能エネルギーの買取に充てるものです。この単価は毎年5月に経済産業大臣が単価を決定しています。
制度が導入された2014年より、再エネ発電賦課金単価は値上がりし続けており、年々上がる電気料金の一因になっています。
生活の変化による、使用量の変化
2020年以降、新型コロナウイルスの影響で「在宅」という新しい生活様式が定着化しました。在宅ワークはもちろん、学校の授業のリモート化、配信イベントも一般的になり、家庭内での電力使用量は増加しています。
こうした背景を受け、電力市場に提供された電力量が不足し、新電力の間で買い争い(市場成長)が生じたことも、価格高騰の一因となっています。
電気代の内訳
毎月の電気代の内訳は「基本料金」+「電力量料金」+「再生可能エネルギー発電促進賦課金」となっています。
ここでは、料金項目の詳細を解説するとともに、電気代の平均や、家電別の電気代の違いも解説していきます。
基本料金
基本料金は、契約している料金プランによって固定でかかる金額です。家庭内で使用できるアンペア数を増やすと高くなる特徴があります。
たとえその月に電気を全く使っていなくても、基本料金だけは必ず払う必要があります。
電力量料金
電力量料金は、その名の通り「使った電気の量」によって決まる料金です。使えば使うだけ料金が高くなるのはもちろんですが、「三段階料金」等の契約をされている方は、要注意です。
例として、月の電力使用量が0kWh~120kWh(一段階)の場合と、120kWh~300kWh(二段階)の場合、300kWh以上(三段階)の場合では、段階ごとに単価が高くなっていくようになっています。この単価設定によりお子様の成長等、生活スタイルの変化によって使用量が増えると、一番高い三段階目の料金が加算され続けることになり、電気代が一気に上がっていくことになります。
再エネ賦課金
前述したとおり、再エネ賦課金は電力会社が買い取る再生可能エネルギーの電力を、国民全体で負担するために設定されているものです。
社会全体で再生可能エネルギーを普及・拡大させていくという目的のもと、電力会社由来の電力を利用する消費者から徴収しています。
平均電気代
総務省統計局の調査によると、単身世帯の平均電気代は、月5791円。年間平均は65616円となっています。
2人暮らし世帯の場合、平均電気代は月9,515円、年間114,180円。
3人暮らし世帯の場合、平均電気代は月10,932円、年間131,184円という結果が出ています。
冬場や寒冷地は電気代が高くなる傾向がありますので、上記よりも少し高くなるかもしれません。
家電別電気代
電気代を見る時に、一律で1カ月の電気代とくくってしまうのではなく、どの家電がどれだけ使用されているのかを把握することも大切です。
例えばエアコンは、年間を通すと最も電気代がかかるとされている家電です。エアコン1台あたりの年間電気代は、部屋の広さやエアコンのタイプにもよりますが、約1万6,000円~5万円程度かかります。
次いで電気代が高いのは、洗濯機です。年間電気代はおよそ8,000円~2万2,200円ほど。洗濯のみの利用であれば1回あたり約1.8円程度で済みますが、乾燥機能を使用すると、ドラム式洗濯機でも約24円もの電気代がかかります。
……とはいえ、せっかくの便利な家電機能を使わないのも、もったいない話です。
太陽光発電を検討するときのポイント
電気代を節約するには、電気そのものの利用を抑えるだけでなく、「自分で発電する」という手段もあります。ここからは、太陽光発電を検討する際に気を付けるべきポイントを紹介していきます。
家が太陽光設置に向いているか確認
太陽光発電には、向いている条件というものがあります。
日照時間が長い、積雪や塩害がないなど、地域としての条件もありますが、加えて気を付けるべきは、住宅の条件です。
例えば、屋根が北向きにしか存在しない場合や、屋根が極端に小さい場合などは、太陽光パネルの設置には向きません。
施工業者やメーカー選定
設置工事を施工する業者や、パネルのメーカーの選定も、気を付けるべきポイントです。
施工業者に関しては、大前提として実績が豊富にある企業を選択することをオススメします。施工業者は、設置したら終わりではなくアフターフォローも担うため、10年、20年と長いお付き合いになります。
また、パネルのメーカーに関しても、複数のメーカーを提案してくれる業者をオススメします。
蓄電池の有無
最近では太陽光発電と蓄電池のセットになったプランが多くなっています。
もちろん、蓄電池なしでも太陽光発電は導入可能です。しかし蓄電池があると、夜間も貯めておいた電気が使用でき、停電の際なども電力が確保できること、10年間の売電契約が終了(10年後売電単価が大幅に下がる)しても、無駄に売らずに自家消費に回すことができるなどのメリットがあります。
実際の太陽光ユーザーの声
実際に太陽光発電を導入したユーザーの声を集めると、
「電気代が、かなり安くなった。もっと早く始めればよかった」
「設置後、電気使用量を意識するようになったため、自然と節電の意識も高まった」
「子どもや孫の環境への意識にも、大きく影響があったと思う」
「災害時の備えとしての安心感が増した」
など、売電以外のポジティブな意見が増える一方、
「発電量が減ったのでメンテナンスに来てほしいと依頼したのに、なかなか来てくれなかった」
など、業者のアフターフォローに不満を持つ声もありました。
太陽光発電は、10年、20年と長いスパンで運用していくもの。アフターフォローの条件などは、契約時に必ずチェックしましょう。
▼参考
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/071_01_00.pdf(自然エネルギー庁の調査資料P4) https://www.solar-partners.jp/category/meritdemerit#back https://www.jema-net.or.jp/Japanese/res/solar/donyujokyo.html#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%A4%AA%E9%99%BD%E5%85%89%E7%99%BA%E9%9B%BB,%E5%9F%BA%E8%AA%BF%E3%81%AB%E8%BB%A2%E3%81%98%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の資料
https://www.nedo.go.jp/content/100926249.pdf(P14) https://earthene.com/media/156電気代の値上げ理由
https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20220427.html https://www.terasel.jp/media/milestone/why-does-the-electricity-bill-keep-rising/ https://www.foods-ch.com/shokuhin/1649311754963/電気代の平均
https://enechange.jp/articles/average-of-family#1家電別の電気代
https://news.mynavi.jp/article/denkidai-10/設置ポイント
https://www.solar-partners.jp/category/meritdemerit#back https://www.shouene.com/photovoltaic/installation/how-to-choose-a-contractor.html蓄電池など
https://ecodenchi.com/post-18732/ https://www.liberal-solution.co.jp/column/?id=1617849569-893868#:~:text=%E5%A4%AA%E9%99%BD%E5%85%89%E7%99%BA%E9%9B%BB%E3%81%AF%E8%93%84%E9%9B%BB%E6%B1%A0%E3%81%AA%E3%81%97%E3%81%A7%E3%82%82%E8%A8%AD%E7%BD%AE%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%EF%BC%81,-%E5%A4%AA%E9%99%BD%E5%85%89%E7%99%BA%E9%9B%BB&text=%E3%81%9F%E3%81%A0%E3%81%97%E3%80%81%E8%93%84%E9%9B%BB%E6%B1%A0%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%91%E3%82%8C%E3%81%B0,%E3%81%AF%E5%A3%B2%E9%9B%BB%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82