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外壁塗装のタイミングって?
私たちが一生のうちで長い時間を過ごす「家」。大切な我が家だからこそ、なるべく長く、きれいに住み続けたいものですよね。そんな家におけるメンテナンスのひとつが外壁塗装です。
せっかく手間と費用をかけて外壁塗装をするのであれば、最適なタイミングで施したいもの。今回の記事では、塗装が必要となるタイミングの見極め方や、なるべく塗り替え回数を少なくするためにできることをご紹介します。
意外と見落としている!?塗装のサイン
大切な家を守るためには、外壁の状態やコンディションを見極め、劣化してしまう前にメンテナンスを入れる必要があります。しかしながら、一般的には外壁塗装に関する専門知識を持っている人は少ないものです。ここではあくまで目安とはなりますが、誰でも簡単にできる外壁セルフチェックポイントを解説します。
セルフチェック方法の紹介
外壁には、表面からでもわかる劣化の確認方法がいくつか存在します。まずは、外壁の表面に以下のような兆候がないかを確かめましょう。
(1)ひびが入っている
幅が0.3ミリメートル以上、深さ5ミリメートル以上のヒビは『構造クラック』と呼ばれるもので、これは建物の安全性に影響を及ぼす危険性があるといわれています。放置は建物そのものの基礎強度を下げる可能性があるため、補修する必要があります。
(2)筋状にしみが伝っている
窓の下や、壁のカーブ部分などから下に向かって垂れる筋状のしみがあれば、外壁における防水性能の劣化が考えられます。本来外壁は防水の働きを担っていますが、塗膜が痛んで水切れが悪くなると、汚れた水が日常的に伝うことでこうした筋状のしみが発生します。
(3)色あせてしまっている
長年紫外線を浴び続けた外壁は、塗膜の劣化により色あせが生じます。
(4)白い塊が結晶化している
外壁に用いられるコンクリートやモルタルには、カルシウムが含まれています。外壁が劣化すると、このカルシウムが目地や隙間から流れ出してしまい、白い塊となって固まります。
(5)触ったときに白い汚れが手に移る
「白亜化現象(チョーキング)」とも呼ばれる現象で、表面を触ると経年劣化により分離した塗料が取れ、手に移ります。
(6)外壁が浮いてしまっている
明らかに外壁が家の表面から浮いてしまっている場合、早急な対処が必要です。家の歪みや壁材の歪みなど致命的な原因も考えられるため、すぐさま専門業者へ連絡して処置してもらいましょう。
(7)苔やカビがつく、または金属部分が錆びている
(2)でも解説した通り、外壁の防水性能が落ちると水はけは悪くなります。水気を帯びた外壁の表面には苔やカビが生えたり、打ち込まれた金属部分が錆びたりすることがあります。
外壁に上記のような変化が見られた場合には、塗装が必要なサインだといえるでしょう。
塗料の選び方
外壁塗装を行う上で、気になるのは塗料の選び方ではないでしょうか。塗料にはさまざまな種類があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。費用や耐用年数、求める効果など、重要視するポイントは人それぞれ違うもの。今後住み替えを行う可能性の有無や、日ごろの生活スタイルを考えた上で、もっとも向いている塗料を選びましょう。
塗料の種類と特徴
外壁塗料には主に6つの種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
(1)ウレタン塗料
価格が安い分、期待耐用年数は6~8年と短くなっています。一昔前に主流として用いられた塗料ですが、塗り替えの手間が増えるため、現在では用いられる頻度が低下しています。
(2)シリコン塗料
現在の主流として用いられている塗料です。ウレタン塗料よりも少し価格が上がりますが、その分期待耐用年数も10~15年と長くなっています。
(3)ラジカル塗料
こちらも(2)と同様、現在の主流塗料です。ウレタン塗料より価格は上がるものの、期待耐用年数は9~15年と長いのが特長です。
(4)フッ素塗料
耐用性の高い高級塗料の一種で、期待耐用年数は15年~20年と長くもちます。
(5)無機系塗料
強い耐久性を誇る高級塗料の一種です。期待耐用年数は15年以上と長く、その分価格も上がっています。
(6)機能性塗料
通常の外壁塗料の効果に加え、断熱効果、遮音効果のある塗料です。期待耐用年数は15年から20年と長期ですが、その分費用は高くつきます。
(7)W無機塗料「ADAMAS」
強い耐久性を誇る無機塗料に柔軟性を加えた最高峰の無機塗料です。期待耐用年数は20~30年と長く持ちます。
今の家が建築から何年経過していて、あとどれくらい同じ家に住むのかといった長期スパンでの検討も方法のひとつです。
塗装のベストタイミングとは
外壁の劣化の見極め方や、塗料の特徴を踏まえた上で、外壁塗装を行う際にもっとも適したタイミングとはいつなのでしょうか。
一般的に、外壁塗装は築10年を目安に行うことが望ましいといわれています。ここではその理由を解説します。
築10年が塗装のタイミングと言われる理由
塗料の項目でも紹介した通り、外壁塗装に使われる塗料にはあらかじめ耐用年数が定められています。昔の主流として用いられていた塗料が耐用年数の低いウレタン塗料であったことや、現在の主流であるシリコン塗料・ラジカル資料であっても8~15年で耐用年数が切れてしまうことを考えても、塗り替えは5~15年前後が経過したタイミングで行うことが望ましいでしょう。
塗料は耐用年数を超えると、防水性能などを含んだ塗膜がその機能を失い、住宅そのものの劣化や痛みに繋がります。目安として家を建ててから8~10年経過した時点で、一度メンテナンスの機会を設けると、家が長持ちしやすくなります。
塗装の塗り替え回数を減らす方法
外壁塗装の塗り替えには、費用も時間もかかります。なるべく塗り替え回数を減らすことで、家を守るための負担は少なくすることができます。塗り替え回数を極力減らすためには、どのような施策が考えられるのでしょうか。
定期的なメンテナンス
新築であれば築年数が8~10年を経過した時点を目安に、外壁の塗り替えを検討しましょう。また、常日頃から外壁の様子や状態をセルフチェックして、異常がないかを確認しておくことで、早い時点での処置が施せるようになります。
長寿命な塗料を選ぶ
塗り替えを行う際の塗料選びも重要なポイントのひとつです。
安価な塗料を選ぶことも、「費用を抑えたい」「住み替えの予定がある」などの目的によっては悪い選択肢ではありません。しかしながら、外壁の塗り替え回数を減らしたいのであれば、ある程度の費用をかけてでも耐用年数の長い塗料を選んだ方がいいでしょう。
施工品質の高い業者に依頼する
たとえ外壁の塗り替えを行ったとしても、塗料の塗りムラや、そもそものメンテナンス個所に見落としがあっては、その効果は落ちてしまいます。専門知識を持たない素人が自力で塗り替えをしても、その仕上がりや出来栄えには限界があるもの。施工品質の高い業者に依頼して、最適な塗装施工をお任せすることで、狙った効果を最大限に発揮することができるはずです。
まとめ
塗装に使われる塗料には耐用年数が定められているため、家そのものの築年数が経過するごとに、どうしても経年劣化が生じてしまいます。外壁のダメージは、そのまま家へのダメージへつながります。メンテナンスが必要となってきた兆候を見逃さずに定期的な塗り替えを行うことで、家は長持ちするもの。こまめに外壁の状態をチェックしながら、最適なタイミングでの塗り替えを行いましょう!